問題は MNIST テストセットから。ハエは 2 つの数字を前脚で順番に地面に書き、キノコ体(第1キノコ体で各数字を視覚認識 → 第2キノコ体で和を連想出力)で足し算を計算して、和(0〜18)の旗を掲げて判定します。 正解なら砂糖水のご褒美が落ちてきて、歩いて行って口吻(proboscis)を伸ばして飲みます。 不正解なら首をかしげて考え込みます。
各区画の MBON(キノコ体出力ニューロン)が受ける入力の強さ。学習によって正しい和のシナプス結合が弱まるため(LTD)、最も入力の弱い(ドライブが低い)区画がハエの選択になります。
FlyWire の細胞体位置(Soma XY座標)でプロットした 5,177 個のケニヨン細胞。キノコ体(MB1)が数字Aをオレンジ、数字Bをイエローで認識し、第2キノコ体(MB2)が鮮烈なピンク色で足し算の和を計算・連想出力します。前脚で文字を書く運動や旗あげ運動のときはキノコ体は光らず、運動ニューロン(DN)が働きます。
| モデル / アーキテクチャ | 足し算正答率 | 学習メカニズム | 特性・ボトルネック |
|---|---|---|---|
| ランダム推定 (Chance) | 5.26% | 一様ランダム | 1/19の確率 |
| 単段キノコ体 (Split-ALPN 直結) | 14.0% | 生物学的ヘブ則 (LTD/LTP) | 入力解像度半減+多対一のシナプス干渉 |
| 線形分類 (Ridge) | 19.6% | L2 正則化線形回帰 | 非線形 XOR 類似パターンの分離限界 |
| 2層パーセプトロン (MLP) | 70.6% | 誤差逆伝播法 (Backprop) | 多層非線形表現(生物学的妥当性なし) |
| 🪰 2段キノコ体 (Dual-MB: MB1+MB2) | 80.0% | 生物学的ヘブ則 (LTD/LTP) | 左右キノコ体の機能分化(視覚認識+連想記憶) |
生物学的示唆: ショウジョウバエのキノコ体は、左右対称に2対存在します。単一のキノコ体に画像2枚を同時に突っ込む(Split-ALPN)と解像度低下と多対一のシナプス干渉で 14% に低下しますが、第1キノコ体(視覚認識)と第2キノコ体(足し算連想記憶)に機能分化させることで、生物学的ヘブ可塑性のみを用いて 約80% の正答率 を達成できることが実証されました。